木に生った球に傘を投げた羽川豊プロ~ゴルフ事件簿その5

木に生ったボールを傘を投げて落としたって!

傘を投げたのが、まさかの有名なプロゴルファーだったので事件に発展。

ゴルフコースには樹々がいっぱい。コースにとって木は財産です。

樹齢の長い木はそれだけで趣があり、世界の名門コースには100~200年クラスのものがたくさんあります。

このサイトの”ルール講座”で数回にわたりご紹介していますが、美しい樹々もルール上はコースの一部です。

つまり芝生の面と何ら変わりはありません。

プロであろうがアマであろうが、木の高さが20mでも30cmでもルールは一緒。

ボールが木に生ってしまったら一定の規則のもとに処置しなければいけません。

ところが、そのルールを知らなかったプロがありえない行動に出て前代未聞の事件になりました。

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木に生ったボール事件の登場人物

2002年の国内男子ツアー、それも日本で一番大きな「日本オープン(下関ゴルフ倶楽部)」だったので多くのゴルフファンの記憶にあるかもしれません。

いきさつを順に並べるとこんなことだったようです。

ボールが木に生って傘投げ事件があったのは最終日の11番パー4。

登場人物は、まず

  • ボールを打った人が今野康晴プロ
  • 同伴競技者は佐藤信人プロ
  • 帯同した競技委員は田村圭司氏
  • この組についたテレビ(NHK)のラウンドレポーターの羽川豊プロ

という面々。

木の下で何が起こったのか?

今野プロはティショットしてすぐに自分のボールの行方が分からなくなり探しました。

皆さんはすぐに「ロストボールのルール」がふっと浮かぶかもしれません。

規則では探し始めて5分間という制限時間があります。

今野プロはギャラリーが数人で見上げている木の下まで行きましたが、探すのをあっさり諦めティグラウンドに戻って打ち直そうと戻りかけました。

そこで背中のほうから、計時していた競技委員田村氏の「まだ1分だよ、もっと探せば」という声。

その言葉で今野プロはそれもそうだと再捜索に戻りました。

やがて高さ3~4mほどのところにあるボールを発見。

今野プロは自分のボールと同じ” Titleist 3″の文字が見えたといいます。

競技委員の田村氏はギャラリーから借りた双眼鏡で球を確認しますが、視力の問題かアングルが悪いのか「見えないなぁ」と確認できなかったようです。

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あっという間に起こった予期せぬ出来事

その時でした。

その状況を脇でじっと観察していたNHKの番組解説レポーターの羽川豊プロが、田村氏が持っていた傘を手にしたかと思うと、サッと木の上のボールに向かって投げつけました。

見事命中、ボールは木から地面に落ちてしまいました。

これは事件でした。

競技委員は落ちてきたボールが今野プロのものに間違いないかどうか確認したところ、そうだというので今野プロは即その場で2打罰が宣告されたというのが事の顛末です。

仮に樹の上に置かれた状態で(木の登るなどして)確認できればアンプレアブルの処置が成立して、1ペナルティでボール直下にドロップできます。

ティグラウンドに戻って打ち直しは3打目ですから、優勝争いの選手にとっては天と地の差があります。

裁定に疑問噴出!それはないでしょうと猛抗議

そもそも、物を投げてボールを落とすこと自体が違反行為です。

競技委員側のJGAの見解は、羽川プロが局外者であることは間違いないのですが、見ていて制止しなかったのは今野プロが落としたことと同じだという裁定、モノで落とした違反(規則18-2a)で1打罰。

それに加えてアンプレヤブルの処置で1打罰、合計2打罰という決定を下したのでした。

この裁定に対し、今野プロも同伴競技者の佐藤プロも納得せず猛抗議をしたのも当然でした。

どう考えても”局外者が当人と同じ”だという点でやや理不尽だと思いませんか実際にそういうルールはありません。

今回の判断についてJGAは「現場での状況判断につきるが、最終的には『公正の理念』に照らし合わせての判断」

どう考えても傘を投げるのは想定外の行為です

思うに、もっとも問題なのは、インプレーのボールに向かっていきなり傘を投げて落とした羽川プロにあります。

プロであり当事者ではない、実況を伝えるためのレポーターという立場を考えれば軽率といえます。

羽川プロは自分が『局外者』なんだから何でもないじゃないか、という考え方(親切心?)だったそうですが、プロでありながらルールに抵触することを熟知していないのはマズいことでした。

最後には優勝争いをしていた今野プロにペナルティがついたことを謝罪したそうです。

こういうほんの一片を見ても、まだまだ日本のゴルフは未成熟で発展途上です。

ゴルフのボールを芯で打つことは知っていても「ゴルフの真」が掴めていないようです。

真のゴルフイズムの遅れは国内のゴルフ界全体にあり、日本人の民族性との壁でもあるかのようで、こうした失敗を何度か繰り返していくうちにやがて正しい方向に行く、それが歴史というか積み重ねなんでしょう。

問題は時間ですね。

日本のゴルフもまだ100年ちょっと、一日も早くインデペンデントしてほしいと願っているところです。

プロゴルファーもJGAという組織サイドも、双方に不信感が残る結果の事件簿でした。

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