杭を使わない「際」次第で結果的に美観がアップ ~ウォーターハザード番外編

ウォーターハザードの知識、実例からのルール解説、ウォーターハザードに纏わるエピソードを含めたシリーズをお送りしています。

ゴルフに限らず、人間の暮らしには「際(きわ・境界)」が大切です。最近はビジネスの世界でも境界線(バウンダリーズ)などの言葉が研究され、仕事の効率を向上させようという工夫もあるようで、それなりの結果が出ているそうです。

人間同士の”好きと嫌いの境界線”なる漫画もあり、国には大事な国境があります。

ゴルフコースも全く同じこと、ボーダーという境界(OBライン)があってそこからスルーザグリーンやハザードのルールが派生しているわけです。

何かの結果が出る時は必ず「際」が関係するのが世の常です。

ウォーターハザードにも「際」があり、アマもプロもその微妙な「際」で下された結果に悲喜こもごもの思いを持ちます。

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結果は「際」が演出する?


すこし変わった「際」の話題です。

最近各コースで杭を使わないウォーターハザードの「際」が増えつつあります。

池の境界線が新しいデザインに変わりつつあるという話題です。

皆さんもある程度知識を仕入れておかないと、現場に行って結果的に不利になるようでは困ります。

チェックしておいてくださいね。

2016年10月、第26回日本シニアオープンゴルフ選手権競技が千葉県の習志野カントリークラブ(ページトップの写真)で行われました。

結果はご存知の通り、断続的な小雨の中でプラヤド・マークセンと鈴木亨のすさまじいデッドヒートでしたが、最終的にはマークセンが初出場初優勝を遂げて幕となりました。

ウォーターハザードの境界がスッキリする景観

ところで、テレビをご覧になって気になった方もおられましょうか。

今回の開催コースだった習志野カントリークラブの池のほとんどに杭やラインがあまり見受けられませんでした。(結果的にビデオなどで確認すれば、まったくなかったわけでもないのですが…)

先ほども触れたゴルフコースのデザインに特徴があって、水際の護岸の大半は構築物が施されて、地面から水域の際が直角に落ち込んでいます。

そして池の周辺は平らで綺麗に整備されていましたね。

普通であれば、今回のシリーズで縷々解説しているように、池をウォーターハザード、またはラテラル・ウォーターハザードとして標示するために杭やラインを使います。

ただ、今回のシニアトーナメントでは杭やラインを(結果的に)使用せず、護岸の構築物の際(淵)をハザードの限界とするローカルルールという変わった手法でした。

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杭やラインのないコースは美観向上という結果で好評です

赤や黄色の杭とかラインが引かれていないウォーターハザード、キャリアの長いゴルファーの方には少し違和感があるかもしれませんね。

情報によればこの試合のチーフレフェリーを務めた内田淳二さんという方が、この試みに自信を持っていると語っています。

「直角に地面が水域に落ち込んでいること、池の周辺が平らで、そして綺麗に整備されており、救済のドロップする箇所を確保できること」

という条件が整っていればプレーしやすく景観を損ねないものだという考え方です。

この話を聞いて多くの方が賛同しています。

ゴルフはやはり”自然感”が大きな魅力の要素です。

筆者も美しいコース、きれいに整備された芝の上に人工的なペンキなどでラインを引くことより、池そのものの形状を利用して限界を定めるという考え方は素晴らしい発想だと考えます。

町の中から電柱が消えることに似た発想でしょうか。

結果的に護岸構築物は障害物扱いです

ゴルフコースによっては浮島グリーンなど、すでに部分的には取り入れているようです。

それも結果的には同じ発想です。

このウォーターハザードのルールに関するシリーズをご覧の方の中には、線や杭を使わずに「池の際」を限界と定めることができるのかと疑問を持たれる方もおられるかも知れませんね。

実は習志野の例のように、明確な限界が示せるならば結果的に杭やライン以外のもので限界を定めることがすでにR&Aのガイドラインで認められています。

そして池の周辺に数本の杭を設置することで、その池がウォーターハザード(黄色)なのか、ラテラル・ウォーターハザード(赤)なのかを示しています。

読者の皆様に補足的なルールの解説を加えておきましょう。

このようなコースでは、ハザードの限界が水域側と決まっています。

そうなると護岸構築物(例えば枕木のようなもの)は障害物となります。

従ってボールやスタンス、意図するスイング区域がその構築物の障害となる結果なら、無罰でその障害物からの救済を受けることができます。(規則24-2b)

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