池ポチャを狙った大江香織プロのゲームマネージメント ~ウォーターハザード番外編

ゴルフというゲームで池といえばコースのヒール(憎まれ役)かもしれませんが、池というハザードは美しいし、コース攻略をイヤが上でも面白くさせてくれる大事な役を担っています。

やはりゴルフのゲームになくてはならないわき役のひとつですね。

ゴルフって知れば知るほど本当に面白いゲームだという一例を挙げましょう。

ほとんどのプレーヤーは池を回避しつつホールを攻めます。そこに入れればペナルティが待っているからです。

ところが逆に、”ピンチを回避するためにあえて池ポチャを選んだ”というプロのゲームの中に例外中の例外がありました。

まったくゴルフというゲームでは奇想天外なことも起こるんですね。

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池は目前、大ピンチで迫られたゲームの決断


2016年3月の「Tポイントレディス(鹿児島高牧CC)」の最終日でした。

大混戦でしたがかろうじてトップの大江香織プロはー8と、すでにホールアウトした2位(渡邉綾香、柏原明日架、イ・ボミ)に2打差で最終組・最終ホールをプレーしていました。

緊迫感いっぱいの18番ホール、大勢のギャラリーがその行方を見守っていましたが、誰も全く想像もしないゲーム展開になっていくことを想像していなかったでしょう。

この鹿児島高牧CCの最終ホールは、フェアウェイ左サイドにサラサラ流れるクリーク(小川)があります。

クリークはルール上池と同じ、ウォーターハザードです。

大江プロのティショットは「左の”水”が怖かった。自然に身体が反応した」と語った通り右にかなり曲がりました。

ボールは一度大きくバウンドしてから右の崖下に転がり落ちて、写真のような木の根元に接着剤でくっつけたように張り付いてしまいます。

この期に及んで大江プロにはツキも何もない大ピンチになったのです。

想像できない仰天ゲームプランがあった!

ゴルフをご自分でプレーするか経験のある多くのギャラリーやテレビ観戦の皆さんは、

「この状況ではどうにもならないね、アンプレアブルの救済を受けるしかないかな?」

と思ったことでしょう。

ところが大江プロは落ち着いていてその場面で「アンプレヤブルは考えなかった」といいます。

これが驚きでした。

ゴルフゲームのセオリーを選択しなかったのですから!

目の前に大きな枝が張り出していて上にも上げられない、低いボールなら崖のアゴに当たって球が戻ってくるという前門の虎、後門の狼状態です。

ゲームとして究極の選択が迫られる場面でした。

しかし、彼女は沈着冷静でした。

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池を狙って打つのはゲームのセオリーにはないショット

意を決して彼女は7番アイアンで強く低くボールを打ち出しました。

ボールは無情にも勢いよく転がり、そのままフェアウェイを横切って左サイドの池に沈みました。(写真)

ここでダボを打つとゲームの流れからいって”優勝”は消えてしまうかもしれないという状況、よくわかっているギャラリーから悲鳴が聞こえましたが、ホールアウト後の記者会見で入江プロは語っています。

なんと「(池に入る)想定でした」というのでビックリです。

彼女は自分を見失うことなくルールに従い、ワンペナルティを払って2クラブレングス以内にドロップしました。

寄せても2パットならプレーオフになります。

次はもうナニがなんでもワンパット圏内に入れるしかありません。

ボールはピンまで72ヤード、56度のウェッジのロフトを立てて振り抜いたショットは、ピンそば1mにドンピシャリ!(写真)

彼女は大ピンチから一転、優勝の夢を自ら実現させる一打を放ったのでした。

たくさんのファンがさすがにゴルフというゲームの奥深さを知らされる結果になりました。

本人が「手が震えた」というウィニングパット、入ったその瞬間試合中はライバルになるはずのすべての女子プロたちからものすごい歓声と拍手する姿が映し出されました。

彼女の”池を想定して打った”というマネージメントと冷静さが仲間にまで感動を伝えたシーンでした。

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